前回の続きです。今度は副社長がクビになりましたね。
元社長であるマイケル・ウッドフォード氏は不正を調査
してクビになりましたが、副社長は不正に関与したとし
てクビになっています。これが日本企業の汚らしい所で
あり、前会長らの責任を問う声が強まるのは必至な情勢。
オリンパス、森副社長を解職(日本経済新聞)(記事より一部引用)
オリンパスは8日、問題になっている過去の企業買収で
支払った多額の報酬や買収資金が、同社の証券投資の損
失を解消するために使われていたと発表した。含み損を
抱えた運用資産を、複数のファンドを通すなど複雑な操
作をして長年、本来決算に反映すべきだった損失の計上
を回避。この穴を埋めるため企業買収の形で多額の資金
を流用したとみられる。過年度の決算の訂正や、今後の
決算で損失計上を迫られる可能性が出てきた。
(引用ここまで)
酷い話じゃないですか。これが一流企業のやることなん
でしょうかねえ。オリンパスの発表によれば、1990年代
から有価証券投資などで生じた損失の計上を先送りして
いたとか。また、これに伴って抱え込んだ多額の含み損
を穴埋めする為に、複数のファンドを利用していた模様。
2008年の英医療機器メーカー・ジャイラスの買収なども
その一つで、投資助言会社に支払ったとされる報酬や優
先株の買戻し資金が穴埋めに流用された様です。国内3社
の買収資金も、結果的には含み損の穴埋めに使われたと
説明した模様。
日経新聞の記事は、関係者の話として森久志副社長が過
去の損失の先送りを認めた事に言及。先送りした損失額
などの詳細は不明ながらも、数百億円規模に膨らむ可能
性を示唆しています。また、記事ではオリンパスの行っ
た資金操作について次の様な可能性を指摘しています。
(記事より一部引用)
関係者によると、オリンパスが設立したファンドが不良
債権などを買い取り、含み損をいったんファンドに移動。
ファンドなどはそれを長期間かけて償却し、損失を消し
ていくなどの複数手法を使っていた可能性がある。
(引用ここまで)
さて、ここでこれまで動いた資金について振り返ってお
きましょう。オリンパスは、英ジャイラス社を2100億円
で買収していますが、投資助言会社に690億円もの報酬を
支払っています。これは買収総額の1/3にも相当する額で
あり、元社長らが大きな疑問を持つ案件の一つです。
また、資源リサイクルを手掛けている国内企業のアルティ
ス社や他二社を買収した際にも、多額の金が動いています。
この時の買収額は約730億円と、本来の企業価値よりも高
額であった事が分かっており、オリンパス側は将来性のあ
る会社だと苦しい主張をしています。
もう一つ不明朗なのが、2000年3月期に実施された某ファ
ンドへの出資。ケイマン諸島に籍を置く謎の投資ファンド
に300億円も出資をしておりました。この他、所在が不透
明な複数のファンドにも投資を行うなどしております。
また、ジャイラス社買収の結果「2000億円以上」とされる
のれん代が生じていますが、これは買収額と対象社の純資
産とに相当な差額が出た為の処置です。
今後、第三者委員会がどこまで真相を解明して行くのか分
かりませんが、過去の決算報告書を洗い直して計上の仕方
が適切だったのか検討しなければならないでしょう。オリ
ンパスは「今後も第三者委員会への徹底した情報提供を通
じて真相究明を尽くしたい」と述べており、一刻も早い事
態の収拾を図りたい様子。
これまで「適切だった」「見通しが甘かった」と述べるだ
けで、元社長の疑問には一切応えようとしなかったオリン
パス。しかし、第三者委員会の調査で、ついに有価証券の
損失計上を先送りしていた事実が発覚しました。副社長も
解任され、また証券取引等監視委員会も金融商品取引法違
反(有価証券報告書の虚偽記載)について関心を示してい
るそうです。
具体的に説明が出来なかった時点で、オリンパスは詰んで
いたのですね。しかし、損失を先送りして来た事で株価は
面目を保てていたわけですから、株主らは複雑な思いでい
るのではないでしょうか。