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保守業務の意味

日本の屋台骨を支える水道・ガス・電気・通信・道路などのインフラ
設備。今、こうした物が老朽化などにより様々な問題を起こしており
ます。特に橋などのコンクリート構造物が寿命期に達しつつあり、
何らかの補修が必要になってきております。

最近起きた同種の問題では、山梨県大月市の中央自動車道・笹子
トンネルの天井板崩落事故が記憶に新しいところでしょう。この事故
では9名もの尊い人命が失われました。原因は天井板を吊っていた
アンカーボルトにあったそうですが、このボルトはケミカルアンカーと
言う方法で施工されていたとか。これは土台となるコンクリートに穴
を開け、その穴に強力な接着剤を入れ込んだ上でボルトを打ち込む
と言う方法だそうです。ところが、脱落したボルトを調べても深刻な
腐食が見られなかった事から、真の原因は欠陥コンクリートにある
のではないかとする人もいます。

この脱落したボルトは130ミリの深さまで差し込まれていました。深さ
13cmですから決して浅いわけではないようです。ただ、打ち込んであ
った先のコンクリートには目立った破損がなかったと言われており、
ボルトだけがごっそり穴から抜けた様な状態だったそうです。ボルトに
は接着剤が付着したままで、一部は腐食していたと言う話もあります。
1トンほどある天井板を、接着剤だけで固定したボルトで吊っていたと
言うから驚きますね。

特に1965年~1975年頃に作られたコンクリート製の建造物は、今年
辺りから徐々に破損が目立つ様になるだろうと指摘する声があります。
本来なら50年以上の耐久性があるとされるコンクリートも、施工管理
の不徹底や粗悪な材料が混ざる事で、寿命が大きく変わると言われ
ております。特に致命的なのが、空隙部分の存在やアルカリ骨材反
応と呼ばれる劣化だそうです。

また、西日本の地域ではコンクリートに混ぜている骨材(小石・砂利)
が不足し、塩抜き処理の不完全な海砂が使われたそうです。塩分が
抜け切っていないせいで、コンクリート内部の鉄筋が腐食して膨らみ
破損に至る問題が指摘されています。

コンクリートの中に空隙が生じるのは、材料の混ぜ方が不均一だった
り、施工時にコンクリートが均一に流し込まれていないなどの原因が
挙げられます。これらは後に、深刻な崩落事故などを招くとされてい
ますが、笹子トンネルの天頂部分では施工上の問題が当時から
指摘されていた様です。

鉄筋コンクリートは、酸性雨などの影響で鉄筋などが錆び易いと言う
問題を抱えますが、コンクリートの材料であるセメントがアルカリ性
を示すことで鉄筋を保護しています。きちんと施工してあれば長く使
える建築材料なのです。しかし、コンクリートに含まれるアルカリ性
の水溶液が、砂利や砂などの骨材と反応する事があります。膨張し
てひび割れなどを引き起こす事から、アルカリ骨材反応と呼ばれます。

アルカリ骨材反応は、骨材を正しく選定し、高炉セメントやフライアッ
シュなどを混ぜた混合セメントを使う事で抑制が出来ます。特に反応
を促進するのは水ですので、水分の管理や湧水、雨漏れなどの対策
が重要になって来ます。特に高度経済成長期に横行したシャブコン
(水増しコンクリート)などは、そう遠くない内に問題が多発する様に
なると考えられています。

私もある現場の地下駐車場で、斜めに入り込んだ亀裂やボロボロに
なった壁面などを目の当たりにしていますが、一番困ったのが漏水
でした。クラック部分には止水剤を圧入して貰うなどしてもらいました
が、ジャンカ(打設不良で生じた豆状の空隙や砂利などの露出部分)
については、構造的に問題が生じない場所との事で放置されていま
した。工事業者にして見れば、ある程度の問題は仕方が無いと言う
スタンスの様です。以前、シール打ちの手抜き部分を指摘した時も、
下請け業者の人が「あまり細かい事を言われてもキリがないので
・・・。」と口を濁していました。

実際、建物などが完了すると補修は難しくなります。工事中なら足場
を組んで楽に出来た作業でも、天井板や壁が出来ると困難になります。
細かい作業になればなるほど、施工忘れや不完全作業が出て来るの
は仕方がないと業者は考えている様です。その為、瑕疵期間(施工後
の一定期間は不具合箇所を無償で修理する)中に、多くの不具合箇所
を指摘される事を嫌がります。かと言って、その期間を過ぎたら有償
になるので、こちらも黙っているわけには行きません。

新規物件でもこんな状態ですから、年数を経た建物が無事であるとは
思えず、特に目の届かない隠蔽場所の不具合は長年に渡り放置され
ていると見るべきでしょう。今回のトンネル崩落事故でも、全国で点検
をしたら次々に問題が見つかっております。吊りボルトが破断していた
トンネルもあったとか。しっかりと保守点検をしていたのか勘繰りたくな
る状況です。ただ、これが実態だと言う事が分かっただけでもマシで
しょう。つくづく問題にならないと動かないのが、日本人の悪い癖だと
自戒を込めて思います。

(追記)
その後の調査で、下り線トンネル(約4700メートル)にあるボルトは約
1万2千本と判明。その内の約5%に当たる632本に不具合があったとか。
また、天井板を60メートルごとの74区間に分けて分析したところ、区間
当たりのボルト数は約160本、東京側出口近くの1区間では43本に不具
合があったそうです。別の9区間では各20本以上の不具合が見られ、5
本以下の不具合も33区間で見つかりました。なお、6区間では見つから
なかったそうです。この事から不具合の個所に偏りがある事も分かって
来ました。
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